極めて高いステータスをもつ弁護士という職業
難しい国家試験に合格しなければ名乗れない弁護士は、極めて高いステータスを持っている仕事です。
企業や個人から法律に関わる問題についての相談を受け、それを解決するためのアドバイスをしたり、法的な手続きが必要なときには代理人として活躍します。
依頼人から受けた相談に関しては「職務上知り得た秘密」を守らなければいけない守秘義務というものがあるので、外に漏らすことは出来ません。
一般的にこの仕事に対するイメージは、いつも裁判に出て依頼人のために働いているというイメージがありますが、それは仕事の一つであり実際にはそこまで事態がこじれる前にトラブルを納めるための予防措置を行うことが多いです。
士業では、他にも司法書士や行政書士といった仕事がありますが、弁護士は法律全般を扱うことが可能で、依頼人の代理人として交渉や法的手続きが出来るのに対して、司法書士や行政書士は関わることが出来ない部分が多いです。
弁護士になるためには?
弁護士になるためには、どうすればいいのかというと、法律のことを勉強して司法試験に合格する事が必要です。
司法試験を受験するための道として、まず多いのは高校卒業後に大学に進学してから法科大学院に通います。
法科大学院では法学を履修しているかどうかでコースが異なり、履修済みだと2年で未履修であれば3年かけて勉強をしていきます。
その後司法試験に挑戦して合格をすれば司法修習という研修を1年間受けます。
最後に行われる司法修習生考試、別名「二回試験」に合格すればようやっと資格取得です。
司法試験は法科大学院に通うことが受験資格ではないので、高校あるいは大学卒業をした人でも受験はできます。
ただし、その前に司法予備試験に合格しなければいけません。
司法予備試験とは、司法試験を受験するのに十分な知識と能力があるかを見極めるために行われます。
経済的な理由で大学・法科大学院に通うことが出来なかった人でも、司法試験に挑戦できるよう門戸を広げるために、2011年より始まりました。
法科大学院の司法試験の合格者数が低いことが問題に・・・
大学、法科大学院はおろか予備校にも通うことなく独学で司法予備試験及び司法試験に合格できるのかというと、そう簡単なことではありません。
ただ、鳴り物入りで始まった法科大学院ですが、予備試験合格者に比べて本番の司法試験の合格者数が低いということが社会問題になっています。
そのため進学するメリットが無いと多くの法科大学院が定員割れになり大量閉校する事態になっています。
弁護士を目指すのであれば、法科大学院に通うべきなのかということで意見が分かれているのです。
なお司法試験終了後に検察官や裁判官になることもできます。
一旦はそちらの道に進んだ人が、退職後に弁護士になるというケースもあります。
それをいわゆるヤメ検やヤメ判といいます。
弁護士は得意分野によって変わる
いずれにせよ資格取得のためには、大変な苦労を重ねなければいけないことは間違いありません。
そうして弁護士になれたとして、どんな案件を引き受けるのかはそれぞれに得意分野があるので変わってきます。
法律の問題は大きく分けると「民事事件」と「刑事事件」に分類することが出来ます。
『民事事件」は離婚や交通事故などで行われる損害賠償請求のように個人間でのトラブルのことです。
民事事件の場合には、トラブルとなっている一方の代理人として解決のために尽力します。
「刑事事件」のほうは傷害や殺人など刑罰を受けることになる刑事犯罪のことです。
犯罪を起こしたかもしれない被疑者、あるいは起訴されてしまった被告人は裁判を行うので、その弁護をしていきます。
どちらか得意分野だけしか出来ないというわけではないので、どちらの案件も扱うことはできますが、得意分野以外は難しいということもあります。
最終更新日 2025年6月25日 by seifuu